5月23日発売のLaranja Azul Vol.52では、
巻頭特集に高木善朗選手が登場予定。
今季絶好調の高木選手が、
アルビレックス新潟に加入した2018年に取材し、
Laranja Azul Vol.23で掲載した「ターニングポイント」を
3回に分けてお届けします。
−−第1回はコチラ−−
人生初の一人暮らしが、オランダで始まった。
「向こうに友達もいなかったし、本当に一人。食べるもの、飲むもの、起きる時間も寝る時間も、全部を自分で決める生活になった。それからですね。少しでも自分がよくなるためにはどうしたらいいか、考えるようになったのは。サッカーに集中できる環境に自分を持っていくことができました」。
毎日、自転車で練習場へ通い、週2回、家庭教師にオランダ語を習う。「すごくいい先生で、授業以外でも買い物に連れていってくれて、そこで使う言葉を教えてもらったり」。自分で食材を選び、母親に教わったレシピで自炊をして食べる。「むこうは寒かったので、ほとんど鍋でした」。さらに、「それまで家でしたことがなかった」というストレッチや筋トレも、日課に組み込んでコンディションを整えていった。
毎晩のようにヨーロッパのサッカーをテレビで見られる環境も大きな糧となった。「向こうは晩ごはんの時間にサッカーが見られるんですよ。水曜にチャンピオンズリーグ、木曜にヨーロッパリーグ、金曜に現地のリーグ戦が1試合だけあって。オランダの放送で見ると、サッカー用語もわかってくるし。一人だし、時間もあり余っていたので、ずっとサッカーを見ていました」。
現地での生活が半年を迎える頃には、チームでも左ウイングに定着し、シーズン終盤は7試合連続で先発。1得点6アシストと結果も残した。試合に出て活躍するようになると、街で声をかけられるようになった。「ヨシアキ、というか『シャーキー』って、みんなに呼ばれていました。日本人がほとんどいない地域だったので、どこを歩いていても目立つし、声をかけられる。面倒臭いなとは思うんですけど、楽しかったですね」。オランダにも、すっかりとけこんでいた。(続)
Yoshiaki TAKAGI
1992年12月9日、神奈川県生まれ。あざみ野FC、東京Vジュニアユース、東京Vユースを経て、2011年にトップチーム昇格。高校2年時、1歳上の兄・俊幸とともにトップチーム2種登録選手となる。2009年のU-17W杯ではグループリーグ3試合出場1得点。高校3年時の10年9月にプロ契約を果たす。11年夏にユトレヒト(オランダ一部)へ。14年に清水でJ復帰し、15年途中から東京V。16年から10番を背負う。18年、新潟へ完全移籍加入。ルヴァンカップ第3節・横浜FM戦(●1-3)では、鮮やかなループシュートで新潟初得点を挙げた。168cm、65kg
※掲載内容は発行当時(2018年5月20日発行 Laranja Azul Vol.23)のものです。