アルビレックス新潟レディースU-18に所属する田中聖愛選手が
「育成組織TOP可選手」としてトップチームに登録されました。
Laranja Azulでは、田中家の食卓にお邪魔し、
プロサッカー選手、そして父親として見た田中達也選手について、
田中聖愛選手にお話をうかがいました。
当時の記事を2回に分けてお届けします。
※「育成組織TOP可選手」はクラブの育成組織に所属しながら、
WEリーグ公式戦に出場可能となります。
練習では厳しく指導!?
試合は「楽しんで」
私は幼稚園の頃から、お父さんと一緒にボールを蹴って遊ぶようになりました。今でもオフは一緒にサッカーをして、ドリブルもたくさん教えてくれます。
毎日、サッカーをする前に、一緒に目標を立てています。「今日は何を目標にする?」と聞いてくれて、「じゃあ、姿勢を良くしてみよう」とか。でも、いつも必ず「楽しんで」って言ってくれます。
練習を見に来てくれたときは、合間に「今のプレーどうだった?こうした方がいいんじゃない?」「あそこはディフェンスに行ったら、絶対に取らないといけないよ」とか、アドバイスしてくれますし、試合のときは、終わった後に、必ず「今日はどうだった?」と聞いてくれます。「シュートがうまくいかなかった」と言うと、それに対して「なんでうまくいかなかったと思う?」、「じゃあ軸足はどうだった?」と反省会をします。お父さんがB級指導者の資格を取ってからは「なんで?」と聞かれ、考えさせられることが増えたと思います。
頭で考えるだけでなく、体を使いながら、「この状態だったら、どこにパスを出した方がいいと思う?」とやって見せてくれたり、図を描いて分かりやすく教えてくれたりもします。
浦和にいた頃から、うちに遊びに来るサッカー選手に、「お父さんは教え方が厳しいね」ってよく言われますが、私はあまり感じないんです。厳しいのも、やさしいからだと思うので。良かったときは、「今日は良かったよ」と言ってくれるときもあります。
尊敬するところは、試合に出ているとき、いつも全力でプレーしていることが伝わってくるところです。サッカー選手としての生活も毎日見ていますが、炭水化物を制限したり、食事に気をつけています。外に食事に行っても、お酒を飲まないよう制限しています。それから、お風呂も炭酸泉にして(注:田中家は人工炭酸泉装置を導入)、お風呂上がりにはストレッチを欠かしません。絶対に休まないで続けているところはすごいなと思います。
家では苦しい様子を一切見せたことがありません。忙しいのに、自分の仕事が終わった後、私を練習場まで送り迎えしてくれたりもします。毎日、「今日は学校どうだった?」と気にかけてくれますし、遠征のときも電話をくれて、話を聞いてくれるので、本当にやさしいんですよ。
一昨年、お母さんが弟を妊娠中で体調が悪いときには、「自分でやってみる」と言って、家事をするようになりました。それまでできなかったのですが、洗濯機も回せるようになったし、ご飯も炊けるようになりました。最近はハンバーグを作ってくれます。「ごはん作ろうか」って言われると、ハンバーグだなって(笑)。レパートリーは、カレー、ハンバーグ、ポテトサラダです。休みの日に、お父さんと私と妹と、3人で一緒に作るときもあります。
妻・愛美さんによる、田中家の夕食メニューの一例。野菜スープ、パプリカとズッキーニ、ベビー帆立のハーブ塩ソテー、切り干し大根のサラダ、トマトほか。トータルで10品前後が並ぶ。
[お話をうかがった人]
田中聖愛(たなか・せいら)
2005年12月7日、田中家の長女として誕生する。幼い頃からサッカーに親しみ、現在はアルビレックス新潟サッカースクールのスペシャルクラスに通いながら、club F3でも活躍中。ポジションはFWで得意なプレーはドリブル。将来の夢はプロサッカー選手になること。
※掲載内容は発行当時(2017年5月14日発行 Laranja Azul Vol.13)のものです。
野本桂子=取材・構成